最先端のシステム

投稿者: | 2016年7月2日

このタイトル、かなり微妙というか何というか。

一連の報道を併せて見る限り、最先端のシステムなどというものではない。とにかくがむしゃらに突っ走った結果ICT化して規模の面で先頭立っているという程度の意味で、技術的に優れているとか体制が整っているとかいう意味での「最先端」ではなさそうだ。

そして、最先端を行くということは未知の問題に直面する可能性を持っている。他の事例から推測できないような問題が起きる可能性がある。にもかかわらず、この佐賀県システムはあまりにも杜撰な仕組みで、「え?そのレベル?」という部分で管理者になりすましてログインされ、情報をコピーされたような話。最先端だからこそ狙われたわけではない。こういう場面で「出る杭は打たれる」「折角推進してきたICT化に悪影響」的な解釈をする人もいるが、この杭、出てないし…

「最先端」なら多少は荒っぽい荒削りなものでもいいという考えも見受けられる。確かに想定外の問題が起きる可能性もあって「荒削り」な状態で突っ走るというのは肯定されるべき面もある。ただ、例えばベンチャーなら労基法を多少守らなくてもいいとか、そういう発想の持ち主がそれなりに居るようで、「こんな批判を気にしてたら先進的なことはできない」とか言い始める。それに対して批判的な意見を述べると「既得権益に守られた人々の意見」などと言い出したりもする。

まずは、人事管理システムで自分たちの勤務評定が漏れるかも知れないと不安を抱きながらお試しいただいた方がよかったんじゃないか、と。