いわゆるセンター試験の世界史Bの第4問で正解が2つになったらしい。報道によると該当箇所は
貞享暦は,中国の [ ア ] の時代に, [ イ ] によって作られた授時暦を改訂して,日本の実情に合うようにしたものである。 |
という部分らしい(問題はすでにあちこちで閲覧できる)。
今となってはもう教科書にそんな内容が書いてあったのかどうかさえ覚えていないし、[ア]や[イ]に何が入るかは見当もつかない。ただ、この文をどう読み違える可能性があるのかについてはわかる。つまり、
貞享暦は, [ イ ] によって中国の [ ア ] の時代に作られた授時暦を改訂して,日本の実情に合うようにしたものである。 |
とも読めるし、
貞享暦は, [ イ ] によって作られた授時暦を改訂して,中国の [ ア ] の時代に日本の実情に合うようにしたものである。 |
とも読めるわけだ。作問者は『中国の [ ア ] の時代に⇒作られた』という気持ちだったんだろうけれど、『中国の [ ア ] の時代に⇒日本の実情に合うようにした』という解釈もできる。
そもそも句点が多すぎるわけで、問題を入念にチェックして手直ししているうちに逆にこうなってしまったんじゃないかとも推測する。語順ひとつで読み違える可能性が高くなるという問題。逆にいうと語順に気を付ければ違う解釈をされる可能性を減らすことができる。
ある先生が言っていた「数式のように( )や{ }を使えば文章がわかりやすくなる」というパターンの典型例ということか。
自分の書いた文章はサラッと目に入ってしまって、「あぁ、そういう解釈もできるな」という距離を置いた見方がなかなかできない。このあたりの正解をよくわかっている人だからこそ読み返しても気付かない、ということかもしれない。