最近、DocomoのCMで「プッシュトーク」というものを紹介していますね。似たサービスとしてauの「Hello Messenger」も該当するのでしょうか。
これらは要するにいわゆる無線機のように、プレストークボタンを押している間だけこちらの喋ったことが伝わるもの。送信(送話)と受信(受話)が同時にはできない、というようなものです。そしてDocomo、auともに同時に5人までが参加できるようです。
人や物を運ぶ業界は、元々無線機をよく使っています。宅配業界では当然のように無線機を使ってきたわけですが、最近はどうやら携帯電話を色んな局面で使っています。
そういえば昔、JRが国鉄だった頃の話。国鉄は莫大な固定資産投資が好きだった(批判の元になった)わけですが、すごい無線システムを持っていたように思います。ある周波数から交換手を呼び出して社内電話に接続したり。国鉄のハイウエイバスに乗ったときに驚きました。当時としてはもうボロッちくなっていた旧型のバス。新型車には当時珍しかった自動車電話が、客にも運転手にも利用できる状態になっていたのに対して、旧型は電話はなくても無線がすごい。運転手さんが本局を呼び出して、自動車局につないでもらったりします。それと、無線ですから、その言葉は同じ路線を走るバスにも当然聞こえてきます。○○で事故渋滞だから気をつけろとか、ICかSAで止まっておくようにとか、みんなが同じメッセージを同時に聞いているという「同報」「Cc:」ということの意味が非常に大きいわけです。
それが、国鉄がJRになってから、この無線システムはバスから外されました。その代わり、連絡はすべて携帯電話に。携帯だと、誰かが連絡してきてもそれをいっせいに伝えるためには対処が必要で、本部から逐一電話するなどの必要が生じます。
何だか妙な方向に話が進みましたが、電話にはメールで言う同報、「Cc;」の機能がないに等しい状況でこれまでやってきたわけです。ですが実際には、この内容はみんなが聞いていてこそ意味がある、という情報もあるわけで、1対1の呼び出し先に限定された通話というのはちょっと引っ掛かりがあります。もしかすると、プッシュトークのような機能は、業務用として活用されていくのかもしれません。
ただ、同時に参加できる人数を増やして、しかもハンズフリーにならないと、運輸業界では使えないでしょう。それと、この機能にどう課金するのか。負荷が少ないんだったら無料に近いくらい格安にしないとね。