スカイマークのサービスコンセプトと称する文書については徐々に大きな話題になってきたようで、賛否も色々。先日も書いたと思うが、私自身は別にどうでもいい、と思っている。ただ気になるのは、この文書が機内にはあるものの、ホームページ内に見当たらないこと。当社はこういうポリシーですよ、こういうコンセプトですよというのならチケット購入の前にこそ読んでもらうべきであって、乗ってみたらこんなことが書かれていた!では話の順番がおかしい。当然ホームページには書いてあると思ったんだが、そういう統一感を持つというのは無理なんでしょうかね。
そして私の関心はと言えばむしろこんな文書を掲出することになった経緯の方にあるが、そのあたりはまだ見えてこない。経緯、理由について想像するのは(勝手な解釈ながら)
『どうして当社の便は定時出発できないのか各部門で考えて対策しろ!』
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客室部門:『客室でのクレーム対応のせいで遅れる』
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『どんなクレームを受けるの?』→服装、メイク、言葉遣い、その他諸々→『じゃ、これらには文句を付けさせないッ』
『クレーム対応の仕方を考え直そう』→『機内での苦情受け付けはしない!全部地上で運航と関係ない形でッ』
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『客室部門の対策としてはコンセプトカードを座席前ポケットに。全社的な対応ではないので社のWebには載らない』
という流れ。サービスコンセプト文書の文面には所々で定時運航を確保したいという意図が感じられるんだよな。そんなことから気になって国交省でスカイマークなどの航空各社の遅延率を見たら興味深いことに。
これはH23年度のもので、あまりに極端な値なのでH22年度も見てみた。でも結局傾向は同じ。
ソースは「航空輸送サービスに係る情報公開(平成23年度第4回)」
ここまではっきりと差が出るとは思わなかったが、スカイマークは遅延率が他社の3倍から4倍程度ある。しかもH22年度よりもH23年度は悪化している。この比較データを見たら、遅延率を改善したいと考えるのは当然のことだろう。そんなわけでスカイマークとしては「客室での苦情対応が理由で遅延するんだ」という流れでこのような文書を出したんじゃないかと推測している。ま、その点から言ってもこの文書は「サービスコンセプト」ではなく「定時出発にご協力ください」の案内文だと思うんだが、あれもこれもついでに追加されたような印象が拭えない。ま、社内の各部門に「対策しろよ!」と命令が下りてきたら、客室部門の対策としてはこうなっちゃうかもしれない。全社的な視点が欠けているけど。
根本的には、遅延する理由は折り返し便の設定滞在時間があまりに短すぎる点にあると思う・・・。