自虐の書、いやいや懺悔の書

投稿者: | 2009年1月29日

今日は本屋さんで新書を4冊買ってきた。来年度は共通教育で経営関連科目を担当、具体的には会計を扱うので、参考書としてどれを紹介しようか、ということで買ってみたのが2冊。ここ何年か、会計本が色々出てきたが、これ、会計ですか?というものも多い。今回のものは全く異分野の大学生に会計に親しんでもらうのによさそうだ。とりあえず書名はここでは明らかにせずにおきましょう、ま、そのうちシラバスに出るでしょうけど。
 別の本の話。どうも某先生の懺悔の書が出たということで、NHKの夜9時のニュースでも紹介されていた。まあ、この本のことはしばらく前から書評などでチラチラ見ていたが、結局買っていない。Amazonで内容紹介を読むと「「新自由主義経済学」は悪魔の思想だ!!広がる格差、止めどない環境破壊、迫り来る資源不足。すべての元凶は資本主義そのものにあった!「新自由主義」の旗手と言われていた著者が、いま悔恨を込めて書く懺悔の書。 」ということらしいですが。それにしても懺悔とは。構造改革の全否定なのかなあ。
 必要なことは、自由化してもそれまでとは違うある種の規制が必要。そういう規制をちゃんとしないで自由化だけやってしまえば、そりゃ世の中無茶苦茶ですわな。警察とか監査とか、モニタリングにかかわる部分を強化しないと、自由化のドサクサで欲ボケた銭儲けする奴も出てくるし、痛手を受ける人もいる。モニタリングのコストが高すぎるというのなら、元の規制大国に戻すのも一つの方法なのかもしれないけど、戻せるのか? パンドラの箱を開けてしまった以上、宗教に依存するとか言い出しかねない。


 それで、まあ懺悔ということで聞き入れたうえで、じゃあ、これから何を主張していくんでしょう。今の政府はかんぽの宿について認めないというけど、根拠は何なんだ? 何か入札に問題があった、とか堂々と言う大臣にも驚きだが、それなら正当な手続きを経て捜査なりするのが先じゃね?! 口先介入こそ古典的な規制で、説明責任の果たせるような規制、介入をしたらどうなん? しかも安すぎる、というが、じゃあグリーンピアはどうなったっけ?
 著者の懺悔の内容が具体・個別的に例えば郵政民営化が間違っていたことを指すのなら、これから何を主張してくれるんだろう。官から民へとやってきた何が正しくて、何が間違っていて、何が足りないのか、何が必要なのか。その展開がないと単に時流を読んで本を売っているだけに見える。これから自身がどう動いていくつもりなのか、どういう旗を振るのかを明確にするのが次の仕事だと思う。
 何かいつになく堅い話かなぁ・・・。ま、自分の研究の本流から遠いからこそ、好き勝手なことを書いてるわけで。