先日報道されましたが、こんなニュースが。
平成17年5月10日(火),(株)セルフリーサイエンスの元代表取締役社長である名取幸和氏から,同社の未公開株式(2,400株)が本学に寄附されることを記者発表しました。
セルフリーサイエンス社は,無細胞生命科学工学研究センターの遠藤教授の特許管理・技術普及を行うことを目的に平成14年7月に設立された大学発ベンチャー企業であり,現在の資本金は4億7,750万円,発行株式数は約2万株です。
(中略)
国立大学法人の株式取得については,従前一部の例外を除き認められていませんでしたが,規制緩和により,本年3月から認められたもので,本学が全国の国立大学法人で取得第1号となりました。
本学は,今回の株式受け入れ後においても同社の企業経営には関与しませんが,これが安定財源確保につながるものと期待し,本学独自の特色ある人材育成に活用したいと考えています。
これはいい話、面白い、うれしいニュース。全国の国立大学法人で取得第1号なんて、結構やるじゃん、ってところです。
なんですが、気になる点。「本学は,今回の株式受け入れ後においても同社の企業経営には関与しませんが,これが安定財源確保につながるものと期待し」という部分。前半の「同社の企業経営には関与しません」というのは、まあ発行済み株式数のわずか10%だし、当然と言えば当然のこと。ちょっと解せないのは、その後ろの「安定財源確保につながる」というところ。
会社の株式を持っていることから得られるメリット、それは配当でしょう。で、この会社はベンチャーだから、配当を出せるほど儲けるまでには結構時間が掛かると思う。しかも1株あたり何円配当できるのかわからないけど、2400株ということでそんなにいい金額にはならないと思われる。
で、ベンチャー企業の未公開株といえば、その会社が成功し、上場されてから売却してしまえば儲かる。つまり、株を保有していることから得られるメリットは限られていて、むしろそれを売却すれば財源となるのだろう、ということ。しかも”財源”って言ってるところはやはり国立大学の考え方が出ている。
ただ、会計上はどう扱うんだろう。もしかすると会計上の利益を生み出すんでしょうか。歳入・歳出の会計から、一応利益を計算する国立大学法人の会計に変わったわけですが、企業会計と違って色々とややこしいので・・・。このエリアを攻めるのは難しいです。