道後商店街の外れ、細いを歩いていたらデッカイ黒塗りのベンツが横を通っていく。この先はますます狭い道。ああ、何か不穏な空気。
それが100mほど先の方で道幅一杯を占領するような形で止まった。
うーん、あのあたりに何かそれっぽいところあったっけ?などと思っているとこれまたヤバイ感じのおじさんの乗る自転車が私を追い越していった。
雪駄を履いたそのおじさん、ベンツのところまで行って行く手を阻まれて止まった。ブレーキを掛けずにガラガラと音をたてながら雪駄を地面に摺りながら。
ああ、ますますヤバイ感じ。『邪魔や!行かれへんやないか!』とかトラブルが発生しそうな予感。
とりあえず私にとっては行きたい方向なのでその現場に近づいていく。
ベンツの後部座席、右側のドアが開いてごく普通のお兄さんが降りてきた。ヤバイ、運転手付きだったんだ。そしてその人が左側に小走り。
左側後部ドアを外から開けたら、ステテコ姿のおじいさんがゆっくりと降りて来ようとしている。と同時に運転席からはスーツ姿の人が降りてきた。あぁ、何か始まっちゃうんじゃないの?なんて思いつつ。
そしたら運転手さん、自転車のおじさんに向かって『すいません、脚が不自由なもんでお待たせしてすいません、すぐにどかしますので』と。
すると自転車のおじさん『ええんよ、ええんよ。転けたらあかん。ゆっくりでええ。』と。
そしておじいさんは、高級外車で乗り付けるには到底似つかわしくない、ごくありきたりなメシ屋さんへと入って行ったのでした。
何とも意外な展開の平和なGW初日でした。