「震災で科学研究費補助金3割カット? 通知で学者ら混乱」という記事が。http://www.asahi.com/national/update/0714/TKY201107140759.html
今年度は新規の科研費は受けていなくて、昨年度の分が震災の影響で今年度に繰り越されただけなので、直接的には状況を知りません。が、担当している仕事の関係で情報は回ってくるし、確かに混乱しているわけです。
というのも、普通なら「今年度の科研費はA円ですよ」というようなお知らせが来ていて、それに沿って執行するわけです。それが、「今年度は当初予定してたA円の7割にします」と通知が来たように聞いています。これは伝聞だし、その人にこの情報を流している本人がどういうソースからそう考えたのかは不明なんですが。
どういう風に混乱するかというと、例えば年度初めに大型機器を購入して、今年度実験をする計画だとしましょう。実験の期間は長く取りたいし、ということでA×70%の機器を買っていたらどうなる? 当然、この先お金がありません!ということになります。調査旅費なんかだと早々に使ってしまう場合がありますからね。「この予算で」と組んでしまっていたものが、足りないとなると大変なことになります。単に噂で混乱するわけではなく、「もう使っちゃってるよ!」という意味では大変に混乱するわけです。まるでケロロ軍曹の侵略予算のように。
この話の発端はおそらく、学振の以下の説明文。この文章の前段と後段は別の話で、前段については「このように決定される可能性がある」、後段については「このようにする予定」というほぼ決定事項。前段のことが実際にどうなったのかがよくわからないために、前段と後段をゴッチャにして3割カットと理解したのかな?とも考えられます。
「なお、平成23年3月11日に発生した東日本大震災により甚大な被害が生じたことから緊急に財源確保が求められる可能性があり、今後の状況によっては交付額の減額変更を行う可能性があります。この場合、各研究課題の本年度交付する補助金の額は、今回の交付決定額にかかわらず減額されることとなりますので、当面、各研究者には、補助金の慎重な執行に留意していただくことが求められます。
また、国の財政事情に鑑み、本年度は、全ての研究課題について分割払いを行うこととなります。まずは、各研究課題の交付決定額の一部(交付決定額の7割に相当する額)を支出する予定ですので、各研究機関におかれては、「平成23年度科学研究費助成事業(科学研究費補助金)の受領金額の送金請求について」を作成の上、提出願います。本様式の提出期限や各研究機関における今回受領予定額及び各研究課題の支払予定額については、別途連絡します。」
http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/06_jsps_info/g_110624_1/index.html
まあ、通知文を直接見ているわけではないし、今年度は当事者ではないので何とも言えませんが、カットするなら早めに言っておかないと混乱するのは当然のこと。上の文での後段の話だったと思っておきたいところです。減額すること自体をとやかく言うのではなく、早く決定して通知していないと混乱しますよ、ということ。
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